睡眠時無呼吸症候群
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誰でもみんな、睡眠中に呼吸が止まります。この”止まっている時間”が通常より長すぎると脳や心臓………あらゆる臓器に負担がかかり様々な病を引き起こします。この表面化した病態にだけ目を向け治療をしていますと、ついその存在を見過ごしてしまいがちなのが、この「睡眠時無呼吸症候群」と云われる疾病です。
例で申し上げますと
「居眠り運転」でしょっちゅう事故を起こして、その度にてんかん・心臓病・一過性脳虚血 等々の可能性についていろいろ調べられてはいたのですが、長いこと原因らしきものが分からないでいた人が、いらっしゃいました。「睡眠時無呼吸症候群」であることが分かり、早速、睡眠中持続陽圧呼吸療法が施され、それ以来、居眠り運転はなくなりました。
過去には、チェルノブイリ原発事故・新幹線の停止線乗り越し 等々 多くの事故を引き起こしてもおります。健康で元気な若い人の突然死の原因が、「睡眠時無呼吸症候群」であったという例も耳にします。
このように「睡眠時無呼吸症候群」は、間接的・直接的に命にかかわるような重大なエピソードを惹き起こし得ますので、ただ「いびきをかいている」「眠い」だけ・・・と簡単な話では無いことを、認知しておく必要があります。
また、まだ一般的には知られていないかもしれませんが、慢性心不全・高血圧・糖尿病・高脂血症・慢性腎臓病・てんかん・片頭痛・肥満・多くの神経変性疾患(脊髄小脳変性症・パーキンソン病…)等々の背景に、この「睡眠時無呼吸症候群」存在していることがわかってきました。
これらで治療を受けている方においては、「睡眠時無呼吸症候群」も念頭に置き、検査を受けられることをお勧めします。もし、「睡眠時無呼吸症候群」が見つかり、陽圧呼吸療法等が施されると、もともと治療されていた病気(症状)の軽減に繋がります。何より、命を救う「命綱」の獲得が齎されることになります。
なかむらクリニック 中村守孝