分かち合いのひととき vol.13「平等とは?」
- ブログ
第13回 分かち合いのひととき
平等とは?
2022.06
先日、当院の中村院長とメールのやり取りをしていて、たまたま院長が触れた話題から、「平等」についてあるエピソードを思い出したので、今回はこれを皆様と分かち合いしたいと思います。
カナダ留学時代の話ですが、当時、私が所属していた研究室には大学生や大学院生、若手の研究者が沢山いて、とても活気がありました。皆、自分のテーマの研究に取り組みながら、時折、休憩室に集まっては、めいめいの実験の話をしたり、世間話をしたりと、アットホームな雰囲気の中、大変ながらも充実した日々を過ごしておりました。そんなある日、デリバリーサービスのピザを注文することになり、待つこと数十分(だったかな?)、ようやく一枚の大きなピザが届き、机に置かれたピザを一人の学生が切り分け始めました。
私は日本人として当然のごとく、人数に応じてきっちり均等にピザを切っていくものだと思い込んでいました。ところが、ピザは角度を測られこともなく、ざくざくと大小ばらばらな大きさにカットされてしまったのです。なお、切り分けたご本人の名誉のために付け加えますが、彼女は実験室でも几帳面な性格で有名な人でしたから、間違いなくわざとです。私は、ん~???、となって思わず、「どうして同じ大きさに切らないの?」と聞きました。彼女は、なんでそんなこと聞くの?といった顔で、はっきりとこう答えました。「だってたくさん食べたい人も、少しだけ食べたい人もいるでしょう。こうしたほうが好きな大きさのピザを選べて、みんなハッピーでしょっ。」と。私は敗北を認めざるを得ませんでしたが、とても清々しい気分でした。平等とは、形でも大きさでもなく、相手を思いやる気持ちなのだということを、理解した瞬間でした。