COVOD-19罹患後症状について
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COVID‐19 罹患後症状 2022.5.13
※COVID‐19に罹患した後の症状:WHOの ”post COVID-19 condition” より「罹患後症状」(いわゆる”後遺症”)
■罹患後2か月以上持続する症状
急性期から回復した後に新たに出現
急性期から続いている
症状焼失後に再燃
疲労感・倦怠感・関節痛・筋肉痛・咳・喀痰・息切れ・共通・脱毛・記憶障害・集中力低下・不眠・頭痛・抑うつ・嗅覚障害・
味覚障害・同期・下痢・腹痛・睡眠障害・筋力低下………と多岐にわたる
多くの場合6か月後には症状改善するが、症状が継続している人が10%程見受けられる
※罹患後症状が1つでも存在するとQOLは低下し生活に対する不安から睡眠障害も生ずる
■病態機序 ウイルスの組織への直接的障害
免疫調整不全による炎症の進行
血液凝固亢進と血栓症による血管障害・虚血
ニン・アンギオテンシン系の調整不全
■ワクチン接種との関係 未接種者に比し、接種者の方が罹患後症状の出現は少ない
■各臓器における疾患
呼吸器: 間質性肺炎、肺血栓塞栓症 …
循環器: 急性冠症候群(心筋梗塞・不安定狭心症)、心不全、不整脈、脳梗塞、血栓塞栓症
嗅覚味覚障害: 異臭症、異味症、嗅覚低下、味覚低下、鼻漏、鼻閉、咽頭痛の出現と有意な相関が示されている
(嗅裂の浮腫による閉塞が関与)
シェーグレン症候群、心筋症、亜鉛・鉄欠・ビタミンB1・B12欠乏
神経筋疾患: 脊髄炎、筋炎、末梢神経小径線維障害~ギランバレー症候群
精神疾患: 変異を繰り返すウイルスへの恐怖、道の病気への不安、
社会的孤立(失業・自粛要請等による)
急性ストレス反応→過剰適応・過剰防衛→うつ
痛み: 神経・筋組織への直接的侵襲
心筋・胸膜への直接的侵襲
サイトカインによる間接的障害
アンギオテンシン2/レニン・アンギオテンシン系を介する機序
廃用性の筋力低下に伴う筋肉痛
皮膚症状: 凍瘡様皮疹、蕁麻疹様皮疹、麻疹様皮疹(紅斑丘疹)、丘疹水泡様皮疹、血管炎様紫斑性皮疹、脱毛
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罹患後症状は,特別な医療を要さない軽度の症状から,長期にわたるサポートを必要とする症状までさまざまであるため、かかりつけ医等が慎重な経過観察や対症療法を行い,必要に応じて適切なタイミングで各分野の専門医に紹介する
罹患後症状の発現には複合的な要因が関与していると考えられるため,全人的なアプローチが重要
参考:厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント」第1版