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わかちあいのひととき「第9回:自分の脳との付き合い方」

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今年はインフルエンザが大流行していますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 毎年この時期は、「年末年始に食べ過ぎて体重が増えてしまったのですが、どうしたら痩せられるでしょうか?」といった相談を受けることが多い気がします。

 そもそも、人間の体は冬の間なるべくエネルギーを消費せず、栄養をため込むようにできていますし、寒い上にインフルエンザにかかることを心配して外出を控えますので、運動量も減ってしまいます。ただ、肥満はアレルギーや喘息の増悪因子と考えられていますので、花粉症を控えたこの時期、何とか体重を減らしたいところです。

 以前から、「食べ物なんて、その時に食べたいと思ったものを食べればいいんです。」という話の真偽について気になっていましたが、先日、これが正しくもあり間違ってもいるという理由に気がきました。というのは、体のどの部分が欲しているかによって変わってくるということです。

 およそ脳を除く体の各部分はセルフケア能力を持っていますので、汗をかいたら塩分が欲しくなり、胃腸が弱っているときは消化の良いものが、生理の時は鉄分を多く含む物(レバニラ?)が食べたくなる、ということは理にかなっていると思います。ただ、脳に関しては別です。脳はその高度な機能の故に、快楽を求める臓器でもあります。脳にとっての快楽は、具体的にはブドウ糖(炭水化物)とドーパミンです。炭水化物を欲しがるのでお菓子が食べたくなりますし、ドーパミンを得ようと、たばこやスマホゲームに依存してしまいます。これらが体に悪いことがわかっていても、脳には止められないのです。

 では、体の他の部分は脳の欲求に屈するしかないのでしょうか?そんなことはありません。リハビリに通っておられる方が話してくださったのですが、「リハビリに来た日は体が程よく疲れるので、夕ご飯を食べてお風呂に入るとすぐに眠くなり、朝までぐっすり眠れます。」とおっしゃっていました。そうです、適度な運動により体を疲れさせると、睡眠薬やお酒に頼らずとも脳はおとなしく眠ってくれます。また、適切な食事により腸の調子を整えると、メンタル的にも落ち着くことがわかっています。
脳は指令塔であり、体はただそれに従うだけということではありません。体から脳に働きかけることで、わがままな?脳を諭すこともできるのです。

 皆様も自分の脳に振り回されすぎないよう、体と対話をしながら生活をされてはいかがでしょうか?もし、具体的にどうしたらよいかお困りでしたら、どうぞご相談ください。外来でお待ちしております。

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