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わかちあいのひととき「第8回:見えるものと見えないもの」

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早いもので今年も残りわずかですね。この時期になると、街はちょっと不気味なオレンジと黒の組み合わせ(ハロウィン)から赤と緑のツートン(アドベント)になり、寒さと早い日没で気持ちが落ち込みがちな気分を華やかにしてくれます。子供たちは、サンタクロースからのクリスマスプレゼントを楽しみにしていることでしょう。サンタさんに会うためにずっと起きていようと頑張って、お父さん・お母さんにも、サンタさんが来たら知らせてね、とお願いしたものの結局は寝てしまい、朝起きたら枕元に欲しかったプレゼントが届いていた!という感動は、一生忘れることはないでしょう。

 

ちなみにサンタクロースの正体が、お父さん・お母さんだと知るのは小学校の中学年くらいだそうです。その際、子供たちは大なり小なりショックを受けるのですが、親御さんが、忙しいサンタさんからプレゼントを届けるように頼まれたという手紙を書いたとか、もうわかっているだろうと思って子供に本当の話をしたら子供は全く気が付いていなくて、かえってショックを与えてしまったとか、子供の方ではとうに気が付いているけど、親を気遣って(プレゼントをもらうために?)気が付かないふりをしているとか、色々なエピソードがあるようです。

 

ただ、私が思うのは、子供の時にサンタクロースを信じることができた人は貴重な経験をしたということ。現在の社会は不確実なものや理屈に通らないものを「悪」とみなす傾向が過剰に強いように思います。実際には、「一寸先は闇」、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈する世の中なので、目に見えるものを信じているだけではやっていけないのです。せめて見えないないものを、「あるかもしれないな、あってもいいのでは?」、と存在の可能性を認める寛容さがあってこそ、多くの困難が待ち受ける人生を豊かに過ごすことができると思います。星の王子さまも言っているではありませんか、「本当に大切なものは目に見えないんだよ。」と。

 

ただ、患者さんの中には、それ故に生き辛さをもって生活している方がたくさんいらっしゃることも日々の診療で感じています。皆さんが自分の居場所を見つけるお手伝いを、これからもしていきたいと思います。

どうぞ良い年をお迎えください。

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