わかちあいのひととき「第5回:自分を知る」
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今年は、未だインフルエンザが大流行していますね。決して好んで罹りたいものではありませんが、ウイルスはヒトからヒトへと感染しますので、山奥で仙人暮らしをしていれば罹りません。インフルエンザに罹るということは、社会で心身ともに一生懸命生きている証とも言えますね。
さて、私達の周りには色々な人達がおり、自分と同じように考えたり行動したりしてくれないことに、私達は落胆したり、腹を立てたりしてしまいます。しかし、髪の毛や肌の色が同じだから、家族だから、同じ学校・職場にいるから、同じ街に住んでいるから、などの共通性で、周りの人達も同じ価値観を持っていると考えるのは、無理があるように思います。
そもそも自分とはどのような人間なのでしょうか?かくいう私も、自分の性格というか・考え方のクセや偏りに気が付いたのはそんなに古い話ではありません。おかげで、これまでの人生や人間関係でうまくいかなかった原因を、理解することができるようになりました。理想の自分とは程遠い、リアルな自分を認識した時にはがっかりもしましたが、一方で、素の自分を受け入れてしまえば、苦手なところは無理をせず、得意なところは積極的に生かしていけばよいと考えて、ずいぶんと気が楽になりました、と思っていたら、先日ある方から、「弱点ゆえに、人は生きているのです。」と言われて、今はその言葉の意味を考えています。「風の谷のナウシカ」の第7巻(全7巻の冒頭の部分だけが映画化されています)に、ナウシカが大切な友人であるテトの死を思い出すことによって、偽りの理想郷から彼女が生きていくべき厳しい現実の世界に戻ってくることができたシーンがあります。この世は厄介な人間関係や生老病死といった避けたいもので満ち溢れていますが、人が人であるためには、悲しみや苦しみが必要なのではないかと思います。私も、同じ時代・同じ場所で暮らす人々と共に、与えられている命を生きようと思っています。
最後に、願いを一つ。「父よ、私に変えねばならないものを変える勇気を、どうしようもないものを受け入れる静穏を、そして、それらを見分ける洞察力を与えて下さい。(ラインホルド・ニーバー)」